教員紹介

准教授 福士 将 Masaru Fukushi 大学院理工学研究科(工学)

研究紹介

高性能・高信頼な並列コンピュータの実現を目指して

スーパコンピュータに代表される並列コンピュータは,乗り物や建物の安全設計,新薬や新素材の開発,防災に向けた気象予測などをはじめとする様々な分野のシミュレーションに利用されており,今や科学研究や製品開発には欠かせないものとなっています.より高性能でより高信頼な並列コンピュータの実現を目指して,集積回路(VLSI)チップ内やインターネット上に構築される新たなタイプのコンピュータを対象とした要素技術の基礎研究や,並列処理法などの応用研究に取り組んでいます.

並列VLSIプロセッサ: ナノテクノロジなどの製造技術の進歩により,計算を行う複数のプロセッサとそれらを繋ぐネットワークを丸ごとVLSIチップ内に実装する,並列VLSIプロセッサが注目を集めています.このようなコンピュータでは,チップ内に発生する部分的な故障により,全体が機能しなくなる問題を抱えています.これまでの研究では,内部に組み込んだ回路により,自動的にネットワーク接続を変更し故障部分を除外する再構成可能なコンピュータを開発してきました.今後は,故障に強いネットワーク構成や,故障の影響を受けないデータ通信技術などの研究を行う予定であり,将来的には,机の上に置いて誰もが気軽に利用できるような,コンパクトで高性能な並列コンピュータの実現を目指しています.

WEBコンピュータ: インターネットには20億台をこえるパソコンが接続されていますが,その大半は,本来の計算能力の1割程度しか使われていないことが言われております.この有り余っている計算能力をボランティア的に提供してもらい,仮想的に構築されるコンピュータがWEBコンピュータであり,研究開発に役立てる試みが始まっています.管理の行き届かない一般のパソコンを利用するため,計算誤りや計算妨害行為などに対処することが大きな課題となります.これまで,計算結果の信頼性を数学的に保証する高信頼化手法を研究してきました.今後もこれをさらに発展させ,悪意のある計算妨害に対処可能な手法や,途中でパソコンの電源が切られても,全体として問題なく計算を進められる,適応的なシステム構成法などの研究を行う予定です.これにより,現在のスーパコンピュータで大きな問題となっている構築・管理・運用コストがほとんどかからない,気軽に安価に使える高性能な並列コンピュータの実現を目指しています.

これらの研究に加え,他分野の研究者と連携しながら計算の並列処理手法を考案することで,様々な分野の研究の発展にも貢献していきたいと考えています.

福士准教授の略歴

2002年3月 北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程修了 博士(情報科学)
2002年4月 同大学助手
2004年4月 東北大学大学院情報科学研究科 助教
2012年3月 山口大学大学院理工学研究科(工学)システム設計工学系学域 准教授(テニュアトラック)